BANJO mots
2015年から農業事業課が地元の方に教わりながら育てている本わさび。
収穫シーズンの4~5月に数日間、営業を中心に有志の社員が収穫作業をするために西伊豆に集まります。この日は、どのような育て方をしてどのように収穫しているのかを直接見て学べる貴重な日でもあります。
初めてわさびを収穫する社員がほとんどなので、現場に着いて、まず「え?ここで?!」とわさびの育て方に驚きます。育てているわさびは、写真や映像で見かけるわさび田(渓流・湧水を利用して人工的に築田した田)ではなく、ハウスの中で土(畑)に植えて育てるわさびです。わさびは水の中で育てる方法と、畑で育てる方法があるんですよ~。
まず、農業事業課より作業工程についての説明【1.わさびを刈り取る→2.葉や根の葉や不要な部分を切り取る→3.茎を束にして洗浄する→4.計量し業者の方へ引き渡す】があるのですが、説明を聞いた社員から「ん・・・?あれ?」と疑問符が・・・。
「わさびの根の部分を切り取る?わさびって、あの根の大根みたいな部分(以下:芋)を使うんじゃないの?」と。
実は芋をつけるまでに2年~3年ほどかかるのですが、わさびは熱に弱いため、涼しく水の豊富な渓流のわさび田で育てており、ハウスでは主にわさびの茎を育てています。
畑で作るわさびの茎は、香り・食感が良く、緑色が鮮やかで、製品の原材料として使われています。
採れたての茎を試食した社員は「思ったほど辛くない」「爽やかな香りがする」「シャキシャキした食感がいい」と素材そのものの美味しさを味わっていました。また、地元でよく食べられている方法はおひたしや三杯酢だと教わり、葉や茎を家に持ち帰り実践した社員もいます。
鎌を使って、土の中の根を切るようにわさびの株を刈り取ります。土に鎌を刺してザクザク刈り取るのですが、腰を曲げ、茎がばらばらにならないよう株の状態で刈り取るので、体力も集中力も必要な作業です。
わさびは小さいイメージですが、30cm以上の大きさの株になっているので、刈り取っている人がわさびに埋もれているように見えます。
刈り取ったわさびは、専用の爪器具をつけ、葉切りをしていきます。
わさびは熱に弱く葉がしなしなになると切りにくいため、刈り取られた順に葉をサクサク切り取っていきます。
たまに小さな青虫と遭遇しますが、やさしく葉っぱに包んでハウスの外へ移動させてあげます。
あらっ、てんとう虫もいましたね。
次に、小刀で不要な部分を取り除く作業です。土がついた細い根や、芋や茎の黒い部分などの除去をします。株には小さな芋がついていることが多いので、削りすぎないように、黒い部分を取り除きます。集中力が必要な作業に社員の顔にも緊張感が!
不要な部分を取り除き、茎と小さな芋だけになったわさびはヒモで束ね、土を洗い流す作業に移ります。
うわっ!凄い水圧の水が!水も滴るいい男!これも水圧に負けない力が必要で、ちゃんと洗えているか目視確認をしないといけないので、大変な作業です。
さて、水を切ったわさびはカゴ詰めして計量し、洗浄などを行う業者の方に引き取りに来ていただきます。今日は何キロ、今年は何トン出荷できたかな?とお嫁に出すように見守ります。
「わさびの栽培の難しさや大変さを感じることができた!」
「営業時のお客様とのトークの引き出しの一つとして活用していきたい!」
「普段売っているわさび一つにどれだけのコストがかかり、どれだけの労働力が伴っているのかを意識します」と、
出荷されるわさびを見ながら真面目な話になります。
実際に収穫作業をすることで、お客様のもとにわさびが届くまでの大変さや尊さを知ることができた社員たち。
このわさびが商品となって、皆さんのもとへ届くことに想いを馳せながら、美しい駿河湾を前に、心から満ち足りたのでした。