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梅原陣之輔(うめはらじんのすけ)/
1969年大分県日田市出身。幼いころから食の世界に触れて育つ。京料理の名店「たん熊北店」ほかで日本料理の修業を重ね、福岡に和食レストラン「バサン」を立ち上げ。2006年からは東京・銀座「坐来(ざらい)大分」にて8年間総料理長を務めた。現在はSIMPLICITY代表兼クリエイティブディレクターの緒方氏のもとで様々なクリエイションに携わり、目黒「八雲茶寮」総料理長。日本各地の素材や食文化に深い関心と愛情をよせながら、その美意識を料理に生かしている。また、食についての勉強会やイベントを開催するなど、情報発信にも熱心。農林水産省「料理マスターズ」ほか、受賞多数。

いろいろ見てきた聞いてきた!わさびトリビアあれこれ

取材した真妻種のわさびは、収穫まで約20~24ヶ月。収穫の終わった畑から順に次の種を植え付けて育てるため年中リレーで収穫されているのです。夏と冬とでは風味や辛味もちがうんですよ。

動画にも出てきますが、訪れた中伊豆「筏場」「地蔵堂」のわさび沢は畳石式栽培。畳石式では粒の大きな石の上に砂利、その上に細かい砂を敷いた土壌で、引いた湧き水を表層だけでなく深部まで浸透させて夏ひんやり冬あたたかく水温を一定に保っています。15年に一度は地面を底から鋤き返して土壌をやわらかく。これを「畳返し」といいます。

こちらのわさび沢では、近くを流れる川の水などは引かず天城山系の伏流水だけでわさびを育てています。畑に流れ込むお水はそのまま飲んでもまろやかで美味。農薬等を使っていないので、まわりには蜘蛛やモンシロチョウなど昆虫もいっぱいなんです。

加工わさびのグレードは中に含まれる原材料や技術によってさまざま。ツン!とわかりやすい辛さのあるものは実は西洋わさびの比率が高く、質のいい本わさびを多く使用したものほど複雑な風味が楽しめる製品になります。万城食品では時代やニーズに合わせていろいろなわさび製品を開発していますよ。